南予観光



2009年11月3日更新

2009年8月14日。
この日、八十八ヶ所巡りの中で、南予の3寺を巡るのと共に少し南予の観光をしようと思い立ちました。

まずは、高速松山道で西予宇和へ。
第43番 明石寺にお参り。
お寺の脇にはこの地域の観光案内看板があります。
ふと見ると、高野長英が潜んだ家とか、日本一長い廊下を持つ米博物館が目にとまりました。
あまり時間は無いのですが、米博物館には少し興味をそそられました。
近くなので行って見る事に・・・。

米博物館は旧宇和町小学校で、移築された建物です。
ここの廊下は109mもあり、その廊下を雑巾がけしてタイムを競う『Z1グランプリ』なる珍競技があります。
過去何度かTVにも取り上げられていました。
壁には、過去の挑戦者の記録が飾られていて、TOKIOの長瀬智也、国分太一、桂小枝やナインティナインの矢部浩之の名前もありました。

博物館の中はいたって普通。小学校の校舎に米に関する資料が並べられているだけです。

    

左より 日本一長い廊下を持つ小学校あと(宇和米博物館)、Z1グランプリのスタート地点から、窓の外の景色

    

Z1グランプリ認定証の数々

  

続いて、第42番 仏木寺第41番 龍光寺と逆打ちで参拝。
ここまでで11時半。
本日の巡礼は終了。

次は宇和島で昼食を摂る事にしました。
宇和島の郷土料理の『ふくめん』が食べてみたかったのです。
『ふくめん』とは糸こんにゃくの上に、でんぶやねぎ、炒り卵を彩り良く飾りつけたものです。
以前、JRの社内広告で愛媛の郷土料理として紹介されていて気になっていたのです。

インターネットで事前に調べたところ、ある料理屋さんで食べられそうなので行ってみました。
注文の品は、『ふくめん』、『せい』、妻は『うどん』娘は『刺身定食』。
『ふくめん』は、こんにゃくの食べ方としては贅沢だけど、とても美味。
色取りも綺麗だし、でんぶや卵とマッチしておいしい。
『せい』とはいわゆる『亀の手』で、物珍しさから注文して初めて食べました。
昼間来た事をつくづく後悔しました。
酒が欲しかったぁ!

  

左より 宇和島料理『有明』、宇和島の郷土料理 左は『ふくめん』右が『せい』(亀の手)

次に向かったのは大洲城。
数年前に天守閣が再建されたので再訪です。
木造で再建された天守閣は木の香りも新鮮でした。
やはり、外観のみの再建で、コンクリート造りよりは遥かに良いと思います。
四層四階の大洲城天守は建築当時の資料が多く残されていて、当時の工法で見事に復元されています。
最上階まで上がると肱川からの川風が気持ちよく、家族3人でしばらく和んでいました。
昔、天守の復元される前に妻、娘と母とここへ遊びに来たのを思い出しました。

    

大洲城天守

    

左 最上階の天井(まだ木の香りが残っています。)、右 天守最上階より肱川、富士山を望む

NHKの朝の連続テレビ小説『おはなはん』の舞台になった大洲市。
古い町並みが程よく残ってそぞろ歩きにはもってこいです。
おおず赤煉瓦館に車を停め、ここから歩く事にしました。

真夏にもかかわらず、ここ数年では一番の冷夏。
おかげで暑いとは言え、歩くのは苦痛ではありませんでした。

    

大洲の町並み

次の目的地は、臥龍山荘。
お城との共通券があったからそうしたのですが、行って正解。
大洲に行くのなら、絶対行くべきです。

臥龍山荘は、明治期の貿易商 河内寅次郎が構想10年、4年の歳月をかけて建設した山荘で、京都から一流の職人を集め、贅を凝らして作った建物です。
決して広くは無いのですが、遊び心にあふれていて、四方の壁それぞれに異なった透かし彫りを入れ、壁それぞれで春夏秋冬の風情を表現した部屋があったり、茶室の廊下は一見すると普通に板を並べた様にしか見えないのですが、実は巨大な仙台杉の一枚板で作られていたり、茶室の壁の一部はわざと塗り残し、あずまやの風情にしてあったり、見飽きる事がありません。
とにかく圧巻だったのは、案内役の方でした。
「臥龍山荘の素晴らしさを理解して欲しい。」その熱意が言葉の端々まで響いて来て、聞いているこちらがすっかり引き込まれました。
知らないで見れば、京都あたりの建物の良いところを集めただけにしか見えないでしょうが、彼女のおかげで、臥龍山荘の魅力を存分に楽しむ事が出来ました。
一番奥まった場所にある不老庵は、川にせり出す様に立てられた建物ですが、その片隅の柱は生きた槙の木が捨て柱として使われています。
またその天井は、竹を組んだ網代天井、緩やかがドーム形で肱川に落ちる月の光を取り入れる為の工夫だそうです。

庭も趣があり、踏み石にも石臼が使われていたり、組み方を変えて見たり、風情のある石が随所に使われていて歩を進めるだけでも楽しめます。
許される事ならずっと居たいくらい。
その昔、建築家 黒川紀章氏が買わないかと言われたにも関わらず、その時決心がつかず、後に手に入れなかった事を大変後悔したとの話を聞きましたが、さもありなんと感じました。
屋内撮影禁止なので写真が撮れなかったのは残念ですが、それを補って余りあるほど魅力的な建物でした。

  

左より 臥龍山荘外観、肱川から見た不老庵

      

臥龍山荘の風景

      

左より 不老庵、入り口、濡れ縁からの景色、生きた槙の木の捨て柱

駐車場への帰り道に見つけたお店で、『志ぐれ餅』と言うお餅を見つけて買いました。
とても美味しかったですね。

    

志ぐれ餅


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